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コロナ陽性でした。少しくらい、という気持ちではなくて、
ある程度換気もされているし人数も限られていたので
大丈夫だと思っていたミスですね。
ワクチンは3回打っていますが、最後に打ったのは2月9日。
とうに効果は薄れていた可能性もありますし、
そもそも効くのかどうかも未知のウィルスです。
ということでしばらく自宅療養を余儀なくされて、
店も1週間ほど休みます。
仕事をしないわけにはいかないので、店舗での対面作業はしませんが、
店の掃除なり整理なり、事務仕事なりを無理せず進めてみたいと思います。
ただ私は今はここに住んでいますので、換気のためにドアを開けていると
店をやっていると思って訪ねてこられる方もおられます。
いまもドアに張り紙はしてあるんですが、小学生がふたりやってきました。
換気はしたいし、感染リスクは減らしたいし。。。
なかなか難しいものです。
ああ、暗い話になりました。
前向きに。
当店は今年で26年目になります。
最初が微妙にズルズルと会社員をしながら始めているので
きっちりとした年数はよくわからないのですが、
大和税務署に開業届をだしたのを基準とするとそうなります。
早いなあと思いながらも、何一つ当初の目的を達成できておらず、
(一番の目的は、オーストラリアに移住してバイク屋をやる、でした)
人間ってちゃんと目標と計画を作らないと達成感もないよなあと。
そんなことを最近になって深く考えるようになり(歳のせいもあり)
そろそろヒューイズガレージ2.0を考えています。
私の予測では、あと5年で自動車は電気自動車とハイブリッド車が町中を走る車の
5割程度になり、ガソリン車、ディーゼル車は貨物やスポーツカーなど以外では
減っていくと思われます。これは税制で規制するとあっという間に変化するでしょう。
オートバイは趣味的な分野が大半ですので、無駄な?音が重要で、
まだまだガソリン車のままでしばらく需要はあると思います。
ただ、スクーターはほぼ電気になるのは間違いないと思っています。
車のようにハイブリッドにすると重くなりコストも高くなりますので
スクーターはバッテリーのみの電気モーター駆動になるのは確実です。
現在のところ、鉛電池を使わないリチウム系電池からスタートしている日本ですが、
航続距離が30キロ程度までなら、少し重くても鉛電池と300W程度のモータで
近場を走るスクーターが普及してもいいのにな、と思います。
よくインフラ整備がやりにくい日本なので、ということもありますが、
100Vのコンセントは日本中どこにでもありますし、鉛なら
リチウムのように熱暴走をそれほど気にせず急速充電もやりようがあります。
未来を見るとちょっと遠回りなのかもしれませんが、そういう途中の技術を経て
新しい技術に向かうのも多様性としてはいいんじゃないかと思っています。
特に研究開発予算が限られている中小企業にとっては、ちょっとした視点の移動によって
違うものの見方をする方がビジネスチャンスになると感じています。
ただ、世の中で「ものづくり」「ベンチャー」というキーワードでの
助成金や補助金、大学との共同研究となると、その目標に
何かしらの「未来性」のようなものが必要になります。
既存技術の転換利用とかアイデアで工夫、みたいなのにはなかなかお金が集まりません。
知恵は中小企業も大企業も大学生も小学生もみんな同様に持っています。
経験は確かにたくさん従業員がいたりいろんな部署があるところが有利ですが、
中小企業でも少しずつ知恵をもって集まればなかなか面白いことができると思うんです。
で、当社の目標をこの電気で動く乗り物と自転車にターゲットを絞ってもいいかな、と考えています。
テスラが出始めたころから電気自動車には21世紀なりの未来があると思っていて、
大学でも学生フォーミュラのEV試作車を作る経験をさせてもらったこと、
私の学部での卒論が、燃料電池関連だったこと、
もう5年以上前になりますが、台湾に行ったときにgogoroという素晴らしい充電システムの
スクーターに出会えたことなどがきっかけになっています。
併せてデザインの重要性も気になっていて、まずは自転車という100年以上変わらないデザインを
変えてもいい時代なんじゃないか、と。
今後高齢化社会になるにつれ、4輪自動車は自動運転化、自転車は健康維持のためのラストワンマイルもとい1キロ、
という足としての役割は必要だと思っています。
先日カワサキが3輪の自転車を出したときは、やられたなあ、と思いました。
もともと浜松で3輪の自転車プロジェクトをやっているのは15年くらい前に知っていたんですが、
その後、いろんな中小企業がチャレンジしては消えていく。
そんな中、あたかも川崎重工がモーターサイクルの技術を生かして作りました!的な
発表だったので、うわー、なんかずるいなあ、と。
日本中、世界中のものづくりに関わる人たちが、同様な自転車を作るのを考えて考えて本業の仕事の合間や休日に
少ないお小遣いをつぎ込みながらやっているのに、本業で定時の時間の中で正社員の仕事として開発してきた大企業!
ちゃぶ台ひっくり返されたようなインパクトはありました。
でもまあ、見てみるととても保守的です。過去にあった自転車をまじめにメーカーが作りました!
作りこみもちゃんと機械設計の基本で作りました!みたいな。
それでいいんです。でもそれだと今まで売れないかったから難しいのですが、ブランド名で売れてしまいました。
ずるいなー、と思いました。
海外に目を向けるとオランダには自転車工学科を持つ大学もあります。デルフト大なんかは論文なんかも
たくさん出しています。私、その辺の論文100本くらい流し読みしました。英語で書かれていますけれど
アブストラクトでイメージをつかみ、構造を知り、結論で論点を探ります。
例えばウィスキーの樽型のリアタイヤをつけた自転車がどういう挙動になるかを調べた論文。
タイヤ幅が1mくらいある自転車です。
樽型ですのでまっすぐ走っているときは普通の自転車です。
少し傾けると道路とタイヤの接地点が傾けた内側に大きく移動していきます。通常のタイヤ幅の何倍もの
移動量になります。このジオメトリだと傾けるだけで大きなコーナリングフォースが出ることと
車でいう4WSの効果が出るようです。後輪がステアリングの役目をします。
現実的にはこういうタイヤを作ることも難しいですし、幅をとるのは自転車としてマイナスですが、
こういう基礎研究があれば、自転車のフレーム剛性を弱くした状態でのリーンによるコーナリングフォースの
活用などに生かせるかもしれません。
多くの研究論文が自由に読めて、そしてそれを中小企業が利用でき、加工はもちろんそれぞれの会社の
得意なところでやっていく。それが一番いい生き残り方だと信じているんですが、
残念ながら多くの中小零細企業は、大会社からの受注、少数より多数生産重視、単品受注はコスト高、
という感じになってしまっていまして、なかなかうまくいかないものです。
ファブレスのベンチャー企業がやることは加工を知らない若者による理想設計で、
見ていると素晴らしいんですが、それを町工場にもっていくと一品もの1万円!
みたいな製作費になるわけです。加工を知っているオジサンを捕まえれば、
不要な寸法や処理を省いてコストが10分の1くらいになることはあります。
ただ最低の工数というのはやはり数千円からになるでしょうから1000円ってことは
難しいかな、と。でもそういったベンチャー企業は目標が未来性のある実現性は不明の
製品なのでなぜかその人たちの給与も含めて開発費が助成金としてもらえたりしています。
コストを考えるのは二の次なんでしょうけれど、無限にあるわけではありませんから。
(なので使い切って9割のベンチャー企業は数年後にありません)
どうでしょう?中小企業の生き残り(すべてが大手の傘下に入るというのも案ですけど)で
ちょっと古いと思われている技術技能を生かしたものづくり。
助成金が出ない未来性の少ないものも、需要があれば誰かが目をつけてくれるんじゃないか、と。
孫さんは上ばかり見ているから難しいかもしれないけれど、そんなことを期待しながら
当社の5か年計画を立てている途中です。
電気系の乗り物、ラスト1キロの乗り物、この辺がテーマです。あと個別に障がい者等に向けた
カスタムとか運動器具とかも開発していきたいな、というところです。
バイクはしばらくは整備需要が残るでしょうから、若い人に技術技能を教えながら
消えゆく製品たちに敬意をもって人生を終えればなあと思っています。
機械式の腕時計なんて、実用上要らない時代なんですけれど、あの技術は伝えていかないと
と思いますよね。そういう感じです。
ちょっとだけ明るい話にしたつもりです。では自宅療養頑張ります(未知の相手に何をすればいい?)
2022/8/28 日曜(コロナになったかも。。。)
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先週土曜の夜、ちょっとイベントがありまして、10〜20人くらいが
集まりました。お酒も入り、夜中まで飲んでいたんですが、どうも
そこでコロナもらったかもしれません。複数の感染者が出たと今日知りました。
今週、ちょっと変だな、と思いつつもただ暑いせいにしていましたが、
数日前から微熱が出ました。
熱以外に不具合はなかったのですが、気にはなっていたのでできるだけ
人と会わないようにしながら仕事をしておりました。
今朝、痰がのどにつまって息ができなくなるくらいになり、
あー、喉が腫れてる、熱は。。。と測ると微熱どころか38.5度付近。
これは当たりやな、と。
明日病院に行ってきます。休日診療所というのもあるみたいですが、
ウェブサイトを見ると、軽症の場合は連絡しないで、とのことなので。
さて、仕事は一台ずつ預かってやっていますが、毎日のように、
エンジンつきません!
というお電話いただきます。持ってきてもらって様子を見ると
キックが軽い、
という症状から、これはバルブというところにカーボンが溜まってですね、
と説明してもよくわかってもらえず、
安くても3万円見てください。
というと大体わかるみたいです。顧客の知りたいのは故障の要因ではなく費用でした。
で、お金の話をしますとほとんどの方は、
買ったばっかりなんで安くしてください、とか
昨日まで動いていたんですよ、とか、
修理代たまってからの支払いでいいですか?先に直してほしいんです、
バイトに使うんです、
とか、ま、いろいろな理由をつけてなんとしても安く修理してほしい熱意を感じます。
熱意はわかった。でもよく考えるとそれは、自分良ければすべてよし、であって、
私の生活を気にしてくれる人はいないですし(なぜ修理している人が苦しんでもいいと思うのか?)
自分の乗っているバイクの名称すら答えられない人の持ち物を
愛情込めて修理している自分を想像すると、
きっぱりと断ったほうがお互いに良いな、と。社会にも良いかも。三方良しとはこのことでは?
とりあえず費用が高くなることを承知していただいた方のみ予約を入れてもらいます。
それでも他店より2〜3万円は安いと思っています。バルブまで磨いて3万でやる店は少ない。
そんな感じで毎日相談は受けていますが、断っている数が増えてきました。
こうなるときっと評判も落ちて、修理相談も減って、うまく収束するのかな?と。
ま、結局、足で乗ってるだけのスクーターの人の場合は、靴底に穴が開いたら捨てられる靴、
と同じ感覚なんだと思います。
スニーカーに3万円も出してるのに、スクーターに3万円の修理代も出せないなんて
お前は〇〇か?(〇の中は皆さんで適当に入れてください)
と言いたいのをぐっとこらえて、ま、バイクの価値なんてそんなもんですよね、そうですね。
と自身に言い聞かせて、最近の甘えて育ってきた若者と対峙しております。
そういう若者には一回でいいから自分の力だけで稼いで、そのお金で欲しいものを買って、大事に使う、
ということを経験してもらいたいものです。自分の力だけ、というのは、コネでバイト決めたとか
学歴で会社に入れたとかを除くわけです。他の方からあなた自身の才能にお金をもらってする仕事です。
これをやってください、でやる仕事ではなくて、あなただから頼むんです、という仕事です。
私は親になったことがないので、
子供にねだられた経験はありませんが、親が子供にものを買ってあげるのは
子供の利益になりません。子供が嬉しがることを見たい親が喜んでるだけです。
さらにじーさんと孫の関係になると、ものを与えることで喜ぶ祖父母の顔が浮かびますが、
本当に孫のためになっているかを考えないと、当店のように犠牲になる店が増えます。
ちなみに私は親からバイクや車を買ってもらったりしたことはありません。
免許取得すら全部自腹です(金がなかったので教習所にはいったことがない)。
もうひとついうと大学の学費とかも全部自腹ですから(まだ奨学金返せてない)
そういう意味では、お金の大事さをとても分かっていると自負しています。
老害的な発言になってきたので。。。(昭和のオッサンなのでスミマセン)
とりあえず、自分が持っているもので必要なものであればそれは大事に使ってあげると
長持ちしますし、困ることも減りますね。
大事にするというのは、洗ったり磨いたりという外面的なこともありますが、それよりも、
機械の場合は、決められた定期点検と決められた定期交換部品の交換です。
スクーターの場合は割と簡単で、3000キロごとにオイル交換、タイヤの空気圧を
時々確認する。ガソリン入れるときに指で押してもらえば大体わかります。
レバーとかの動きがしぶくなってきたり、変な音が出てきたり、いつもと違うと
感じたら点検に出す、というそれだけの行動でいいんです。
悪くなっているのを自覚しながら壊れるまで乗ったうえに、安く直せというのは
自己中心型の甘えです。
さんざん暴飲暴食しておいて、病気になったら医者に無理をいうのは筋違い。
ま、世の中のしくみはお金持ちが貧乏人から金を奪うことがビジネスモデルになっているので
なんとかこれに巻き込まれないように、と仕事を選んでやるようにしています。
選べるほど偉くなったわけではなく、選ばないと生きていけないという現実です。
最近愚痴が多いので、次回は明るい話にしていきたいと思います。ぐちお(完)
ビールの差し入れが多くて背中とおなかが引っ付くことはもう無いな、
という体形になりました。
いけません。なんとかしないと。。。
と思っていたら先日、日本の主食、お米は食べた後の血糖値の上昇が著しく、
ビールは実はそれほどでもない、というような論文が発表されたニュース。
そうか、晩御飯にご飯はやめておかずとビールのみにしよう、なんて勝手な
理解をしてしまいました。
ま、運動不足ですし代謝量も減っている50代ですから、栄養とりつつも
ビールの飲みすぎには注意していきたいと思います。
なお、お中元等でビールは冷蔵庫に入りきらない量がまだ大量にストックされており、
差し入れは気持ちだけでうれしいです。古いお客さんからはコカ・コーラもたくさん
持ってきてくれるんですが、さすがに最近は一日1本も飲まなくなりました。
ありがとうございます。お気持ちだけ。
さて仕事ですが、5〜7月の店先の道路の大工事で作業が滞った影響もあって
お金が回らなくなってしまって口座残高が9万円ほどになりました。
修理部品の購入は毎月だいたい40万円くらいなんですが、仕事したあとに
修理代をもらうため、受注はしたけれど仕事が完了しておらず、収入が減っているのに
先に買っている部品代がどんどん引き落とされていくので、この数か月で
40万、100万と部品代が先行して引き落とされて、
あ、家賃払えない、カードで立て替えてる分もまずい、
と思っていたら、カード引き落とし口座も残高不足で止められてしまいました。。。
銀行ふたつ残高不足で止まりました。
法人口座でなかったのがせめてもの救い。倒産寸前です。黒字倒産っていうんですかね?
仕事は二月先までもらっているので順にやればいいんですが、
ここでもミスが。。。
電話口で症状を聞き、車種から想像して、あ、そのバイクはあそこだな、
と想像して2か月先に予約を入れてもらう。
実際はさらに1〜2か月遅れで入庫になり(いま6気筒CBXが鎮座していて仕事が進みません)
さあ触ろうとしたら、修理するはずの場所は壊れておらず、全然違う部分の修理。
やはりオーナーさんの感覚で話されるものは、整備士の目線でみると全然違うことが
多くなりました。コミュニケーション不足ですね。時代が違うのもひとつかもしれません。
「エンジンがつかなくなった」
と表現されるお客さんのバイクは、一度自分の目で確かめないととんでもないミスに発展します。
今朝も昨夜引き上げた3か月前の予約してもらったバイク。2万円強の部品を先に仕入れて
いたのでさあ頑張るぞ!っと見たら、全然違いました。
そもそもノーマルじゃないうるさいマフラーがついている時点で、エンジン音なんか
お客さんにわかるわけがないんです。
こんな感じの音してますか?とか電話口で言うと、してますしてます、みたいな感じで。
お医者さんも患者の感覚が一番大事な情報源だと思うので、問診するわけですが、
機械の場合は、乗り手の言葉も大事ですが、機械そのものを見れば大体わかることが多いので
お医者さんよりはずっと判定がしやすい。
なので今後はやはり、入庫してから症状確認、そして部品発注にしていこうと思いました。
でもこの欠点は簡単な修理も2〜3日バイクを預からないといけないことです。
店が狭い当店ではその2〜3日、他の仕事ができなくなることもあるわけです。
特にビッグスクーターを預かるともうばらしたカウルの置き場所だけでも困ってしまう。
やっぱり工場ってのは広い場所がないと効率悪くなりますね。
綾瀬に倉庫を借りているんですが、本来そちらを工場にするつもりでしたが、
残念ながら工場にできない地目だったのを気が付かずに契約してしまって、
本当に人生の大ミスだなあと思って毎日やってます。
ま、違法に操業するならそれでもいいんですが、それならガイジンのヤードと
一緒じゃないか、と。お金儲けだけのために仕事するのか?となるわけで、
その点は人間として嫌なんですね。仕事だからと割り切るのもありますが、
私はバイクが好きで、人が好きなので、お金は仕事していれば後でついてくると
勝手に勘違いしてやってます。
でも今の会社の状況は、本当にここで小言を書いているほど余裕はありません。
一秒たりとも無駄にせず仕事しないと。
倒れるまでやれば本望かな、と。無駄話のご来店は極力お控えください。
コロナの対策も含めて。
今朝は海老名市の気温が27℃とのことで、涼しく目が覚めました。
でも部屋の温度計をみると30℃。
あまりの暑さに熱が店の内部にこもってしまって
外が涼しくても室温が下がらないような状況になってしまっています。
でも30℃はもう涼しいという領域に。
慣れって怖いですね。
夜シャワーを浴びて測った体重と朝起きてシャワーを浴びて測る体重。
寝ている間に500gも痩せます。
でも夜、なんどか目が覚めてペットボトルのお茶なりを飲んだり
寝る前に缶ビール1本は開けているので、実際のところは
1kgくらいが汗で出ている模様。
私も体型が中年太りになりましたが痩せる一番の方法は汗かくことだと思います。
食べる量も減らすのがいいんでしょうけれど、減らすとパワーが出ません。
昭和世代は、燃費悪くてもたくさん燃料食わせて無駄に吐き出すくらいがいいんじゃないか、と。
2スト世代ですね。(計量しながらチビチビ噴射するインジェクションなんて!!)
さて、今日は適価というのを考えてみます。
当店が営業しているような、自動車整備、という仕事は、大量生産の製品の整備修理という
請け負いなので、実際のところ利益率はとても低いです。
大量生産品というのがキーポイントです。あっちもこっちもきっちり整備すると新車が買えてしまいます。
いま、街中を走っている車。部品点数でいうと2万点の製品といわれています。実際はパッケージ化されている部品も
多く、それらを考えると10万点くらいの部品を組み立てた製品です。
たとえば一つの部品を作ってくれ、とお客さんに頼まれて、そうですね、タイヤのホイールナットなんかで考えましょう。
ホイールナットひとつを材料から作り出すと、鋼材を買う、切り出す、旋盤で形状を作る、ねじ切りをする、
強度を高めるために熱処理をする、長く錆びないようにするためにメッキ等の処理をする。
こんな一連の作業を、私一人でやるとすると、まあ、鋼材は買いに行かずに搬入してもらうにしても
おそらく半日仕事でしょう。特に熱処理とメッキは時間がかかる。
当然設備費用もかかるんですが、それをゼロ円としても時間1000円としても
6時間として6000円。
2万点の部品があるとして、一台1億2000万円ってところでしょうか。
一日8時間付きっ切りで年間240日働いたとしても60年以上かかります。
ま、意味のない計算ですが、部品ひとつずつ整備するとまあこんな感じになるのは
間違いないわけです。大量生産って偉い!あれだけの製品がたったの200万円で買える。
そういう製品を相手に整備や修理で食うなんて、常識から考えるとありえない。
でも存在価値があるらしいんですよ。不思議ですね。
自動車メーカーも販売利益で稼ぐのをやめて、ちょっとでも壊れたら交換しますよ!
ってやると整備業は不要。車検も不要。新しい車は次から次へと供給されて
古い車はどんどん再資源化。(これを目指したのがトヨタのkintoだと思います)
SDGsにはいい感じじゃないですかね?
ま、このシステムには思い出、とか、ものを長く使い大事にする、という視点が抜けていますけれど、
SDGsには物を大事にするという項目が実は入っているので達成することはできませんね。
相反する事柄を目標としたものはトラブルの元です。SDGsはテーマが多すぎです。はい。
で、仕事の価値というか物の価値というか対価の話に入りますが、
みなさんがやっているその仕事。何を基準に対価が決まっていますか?
正確に答えられることができる人はお金の価値がわかっている人なんだと私は思います。
私自身、自分の仕事の対価がよくわかっていません。適価というのは私が生きていくために
払う衣食住の費用や、欲しいものなどの需要と供給バランスによってある程度決まり、
さらに過去の同業者さんの慣習によるものなんだと思います。
商取引としての慣習もあると思います。原価率何パーセントとかいう考え方ですね。
飲食業だと原価率30%超えるとキツイ。。。とか。
ちなみに当店は超零細店なので、部品の仕入れでいうと原価率95〜105%です。
仕入れ値より安く売ることも多いです。
なのでその分、工賃で載せないと無料で作業するボランティアよりひどい仕事になります。
バイクの新車買ってあげれば当店が儲かると思ってらっしゃるお客さん、結構多いです。
あれは、納車整備料とかナンバー取得料とか適当な名目で、車体の定価以上にしていかないと
はっきりいって赤字になります。車体定価で手数料5万円みたいなのであれば成り立ちます。
でも大手の何十台も一度に仕入れる仕入れ率と当店の仕入れ率はその時点で10%以上の差があります。
お金の動きが大きくなればなるほど差が広がります。
あちらの値段がこれくらいだったからと値引き交渉して買いに来るお客さんがいますが、
先に書いたように車体価格は定価でもギリギリです。その上、登録は自分で行くから無料にしてくれと
そんなお客さんが多くくるのも零細店の顧客層です。
大きなきれいなお店は値引きできる余裕があります。それでも一線を越える引き方はしません。
うちなんかは無理そうなら無理と断りますが、それで評判を落とすだけですから、
やはり新車なんぞ売って商売ってのは無理なことがわかります。
そういうことをいろいろ考えたうえで仕事をさせてもらっていますが、常連さんや本当にご近所の方の場合は
対応していることもあります。ちょっと赤字でも。
新車とはいえやることは色々あります。何時間も取られます。無料でやっていい仕事ですか?
ここでよく考えてください。ご自身の仕事は適価だと思われますか?
とくに窓口業務や、書類の作成などの間接業務。結果が見えないし実際事業に
どれくらい黒字貢献しているのかわからない職業ってたくさんありますね。
世の中の需給バランスで決まっている価格ならまだわからなくもないですが、
需給すら仕掛けを作って制御して設けているマーケットもあります(転売屋とか)。
見直しを国全体でやれば一気に変わるものもあります。携帯電話代とかネット代とかは
そのひとつですね。じゃあ車は?住居は?医療費は?
適当な価格、というのを見えなくするようにしている業界は間違いなく需給とはずれている
過去からの慣習や既得権益を守ってやっています。
見える化ってのは大事なんです。
逆に堂々と見せすぎて、みんなで安くしすぎた業界は疲弊して小さいところがみんな
消え失せるまで続けるという大企業の戦略も見えます。
そういうところに小さな会社で乗り込むのは相当な変人か、本当に趣味でやっている人ですね。
バイク屋はどちらからというとそこに近いところがあります。
世の中にはいらない職業ってのもあると思うんですが、そこは無駄があるおかげで
無駄じゃないところが良く見える。反面教師的な存在価値があります。
雑草も地球には必要な生き物なんです。生態バランスは雑草を取り除くことで崩れます。
あ、私は日本の政治や経済のバランスの悪さは、医療、不動産、教育産業に
あると思っています。金融業はすべてにおいて絡みますけれど、この3つに絡むことが多いです。
医療費。コロナ禍ですごいことになっていると思うんですが、実はよく見えていませんね。
不動産。仲介手数料で儲けるにしてもその手数料、おかしくないですか?特に家賃の何か月分とかいう
慣習。あんな不思議な設定ができる業界に異を唱えないのは何故なんでしょう?
一度その方式を自動車整備にと考えたことがあります。
オイル交換工賃。その車体の新車価格の1%ってどうかな?と。オイル代は別です。
原付なら新車15万円だから1500円。
50万円の400ccなら5000円。
1000万円のベンツなら10万円(実は12Lとか入ったりするので結構高くなるけど)
割といい線ですよね。
これを真面目にやってるのが不動産業です。ちょっとおかしくないですか?
作業は一緒ですよね、原付もベンツも。多少面倒さは違いますけれど。
教育産業。これはね、いろいろ言いたい。特に受験産業。日頃の授業で
ちゃんと理解していない子が増えたのは学校の先生のせいかもしれませんけどね。
でも今後は学歴社会じゃない時代になることを期待して淘汰していけばと思います。
いわゆる習い事みたいな専門教育分野はどんどん増やしていいと思いますけれど、進学塾だけは
親の需要があるから成り立ちますが、生徒自身が本当に興味持ってやってるようには
思えませんけどね。ま、否定はしませんが、肯定は絶対にしないです私。
進学塾みたいなところに行ったことがないので食わず嫌いなのかもしれませんけれど。
子供より大人が通う塾のほうがいいと思っています。そして親が子供に教えればいい。
今日も支離滅裂な小言でした。あなたの適価は???