メインページへ
当店は基本的に整備をする整備工場(というほど立派ではない)です。
車両販売は、お客さんの要望があればするのですが、仕入れてきて販売することは
ほとんどありません。実際に新車に関してはこの25年間で30台くらいしか売っていません。
そのほとんどが新聞屋さんなどの業務用です。スズキと代理店契約をしていた際には
(見えない)ノルマがありましたので、気が重かったです。
また新車を売ったら5万、10万と儲かると思っている方が多いと思いますが、
利益はせいぜい1〜2万円です。逆に言うとお客さんは新車だと喜びますが、
会社としては売上だけが増えて、利益そのものは増えないし手間を考えると
赤字になることが多いので積極的には売りたくないというのが本音です。
もちろん年間で何十台も売れば仕入価も下がるわけですし、保険業界と同じく
臨時ボーナスがあるのかもしれません。
中古車に関しては、当店のお客さんが乗っていたバイクでしばらく当方で整備していて
下取りに出されるときにあまりにも値段を叩かれることが多かったので、
それならうちでこれくらいで買ってあげますよ、と入ってきたバイクが大半です。
あえて売れそうなのを買ってきて整備して店に並べるというようなことはしておりません。
ということで、整備と修理が中心の当店ですが、この数年で変わってきた事情があります。
まず部品の入荷。長くお付き合いしてきた部品商社さんが6〜7社あったのですが、
少量で頼んでいるために送料等が負担となり、実質、個人さんより高く仕入れていることが
多くなり、現在は3社くらいに絞って仕入れています。
ネットが普及したせいもあり、純正部品以外はネットで個人的に調達した方が
商社経由より安いという逆ザヤ現象も起きています。
ネットでカードで買えば、支払いが先送りになりますし、支払い方法も後で変えることもでき
またポイントなんてのも溜まるわけです。なので一般のお客さんが買うのと同じように
仕入れをする比率が増えてきました。
部品商社経由のメリットは返品がしやすかったり、わからない部品番号等を調べてもらったり
だったのですが、最近は部品屋さんよりこちらのほうが詳しくなってしまって、
部品商社さんにわざわざ調べてもらうこともほぼ無くなっています。
わからなくてもネットで調べたら見当がつくことも多いのは良い時代です。
ということは情けでお付き合いしていた商社さんとの取引もなくしてネット発注中心にした方が
当社も時間や費用が減って助かりますし、お客さんも支払額が安くなるわけです。
純正部品に関しては一般ユーザーが直接買いにくいというのもあったのですが、
ホンダもヤマハもカワサキもネット上でパーツリストを自由に閲覧できるように
システムが構築されました。これによりお客さんご自身で部品番号がわかるようになりました。
さらにカワサキは先月よりご自身でネット通販で純正部品が買えるようになりました。
ただし、5500円以下の部品は送料が550円かかります。でも実は部品商社で送ってもらうより安い。。。
一番納得いかないのは、某商社ではネット経由で個人で買うと3000円以上で送料無料でポイントもついて
次回以降安くなるのですが、同じ会社の業販サイトでは1万円以上でないと送料無料になりませんし、
さらに同じ商品が個人で買うほうが業販価格より安いという逆転現象も多数あって、
何度か問い合わせましたら、それはキャンペーン中なんですよー!とのこと。
そのキャンペーンを年がら年中やっているのでどうなんだ?とも思っているので取引を減らしています。
部品商社がBtoBからBtoCに切り替えたということですね。これも時代です。
こういった経緯もあるので、バイク屋が業販で仕入れたほうが安いという時代ではなくなり、
かついちいち調べる手間も結構な時間がかかりますので、お客さんご自身で調べて
購入していただき、部品を持ち込んでいただくのが当社としてもありがたいわけです。
整備中心となると売り上げに対する利益率が著しく上がり、会社としての経営に上向きの風が吹いてきた気がしています。
部品の適合を調べたり、発注したり、さらには部品のトラブル対応の仕事が無いということは
整備に集中できる時間が増えるということです。
間違えて発注した部品はお客さんの責任です!と
突き放すのもあまりよろしくないですから多少は相談を受けますが、実際に無駄な時間を
減らせるのはとてもいいことだと思っています。ただ適合に関する経験などは減っていくわけですが、
実際のところこの25年である程度蓄積されて、今後増えることもないかなあ、と。
また、純正部品も実際にはほとんど利益ありません。お客さんが思っているほど
部品の販売で儲かっているわけではないのです。むしろ部品を渡すだけで済む話が、
店頭で10分も20分も話しかけられるとその分の工数で会社としては大赤字。
実質その部品代の定価の5%くらいが利益と思えば、少しは計算してもらえるかと思います。
わかりやすく書くと、喫茶店でコーヒー1杯500円で一日中席に座って粘られるという感じですね。
(大阪ではお茶が出てきたらサービスではなく、早く出ていけというサインです)
5000円のエアフィルタひとつで利益250円です。さらに送料考えると赤字仕入れの部品です。
工賃とらないと赤字なので部品だけの受注は今後やめることにしたというのはそういうことです。
当店のほとんどの整備作業は、こういった部品で100円、200円の利益と、作業代2〜3千円くらいなのですが、
これの積み重ねで、当社の家賃や倉庫代、光熱費、保険料等を支払っていくわけですから
バイク屋が運営を維持していくためには、たまに大きな仕事をしなければなりません。
たとえば部品代よりも工賃が大きいエンジンのオーバーホール等の仕事や、
ある程度技能が必要な仕事などです。
月に5台くらい工賃5万円の仕事が入れば、とりあえず家賃がギリギリ払える。
もう1台増えれば光熱費、
もう3台増えれば社会保険料が払えます。
もう6台増えれば私の給与(15万円)が出ます。
そんなにうまくいかないので、上記の工賃の10分の1の仕事を上記の10倍の台数作業しているわけです。
寝る間も惜しむ、ということはないのですが、年間休日が数日しかなく朝から深夜まで働いているのは
そのせいです。ただし嫌々ではなく割と楽しんでやっています。
この6年間、実質私は給与を貰っていないので(支払われた給与はすべて会社に戻してます)、
年間の税額基礎控除の部分だけで私は生きているということですね。ま、計算するとそんな感じです。
(ご近所さんの差し入れも多いので食うには困っていません。)
おそらく家族だけでやっている零細な店舗経営の方はそんな感じなんだと思います。
食えていけてはいるけど遊びに使うお金はない、と。たまに大きな仕事が来たら遊べる、と。
従業員がいるともちろん給与の回収なんてできませんし、年間休日1日なんてことは法的にも
できませんからやはりここは自営業の一人社長だからこそできる経営なんだと思っています。
でもニュースかなんかでバイク屋は空前の大ブーム、納車待ち3か月!すごく儲かってます!
みたいなのを聞かれたお客さんが来られて、
いつも忙しくていいねえ!年収何千万?
なんてことを言いに来る暇なオジサンも多いです。相手をするのも大変です。
そういった方はホンダとヤマハとスズキの比較をしてきて(なぜかカワサキは出てこない)、
こちらのほうがあっちよりいいとか壊れないとか、どこから仕入れた情報かわからない話まで。
昭和の話を令和に聞くほど暇ではないので適当にあしらいますが(バイクのお客さんでもないので)
日本人の大半のサラリーマンはこんな人のために働いているんだよなあと思うと
会社ってできる人1人で他の社員5人くらい養っているという事実は本当だな、と。
で、先日はせっかくなので、店先にあるヤマハのスクーターを見せて、ほらエンジンにホンダって書いてあるでしょ?
これお客さんが勝手にエンジン載せ替えたとんでもない改造車なんです(嘘です)。
日産の車にトヨタのエンジン載せてるみたいなことしているんですよ。
阪神のメンバーに突然巨人の選手が入って試合するみたいな感じですよ、どう思います?
と言ったら、そんな危ないバイク触ったらだめだよ、と言われたり。(結構真面目に言われて面白かった)
製品がコモディティ化している熟成した市場では、その差異を出すには宗教的な心理作戦が
有効なんだろうなあ、と思った次第。だからみんなユーチューブみて洗脳されるわけです。
自分の五感をもっと信じて、良い悪い、面白いつまらない、安全危険などを判断しないと
いつまでもつまらない人生になりますね。
ということで、経営という面では非常に危うい当社ですが、精神的気持ち的な部分では
結構楽しい人生を送れているという意味で(自分には)良いバイク屋だと自負しております。
バイクなんてほら乗って楽しいと感じて安全で便利だったらまあ大体オーケーなんです。
ここに傷が、とかそんなの気にしてたら人生つまんないでしょ。
(最近、店にパトカー呼ばれたり、自分の軽自動車に10円パンチやられてちょっとムカついていますけど。。。)
新車と部品の販売をやめることにしましたので、売り上げ額が減りますが
多分経営的には利益が同じでも上向きになる気がしています。
問題は需要ですね。ちょっと厳しいかも。。。バイク屋としてはなかなか難しい岐路にいます。
あと体力ですね。健康には自信がありますが、やはり歳取ると色々しんどいことも出てきて
こんなパターンの仕事をずっとやり続ける自信もちょっと無くなってきていて
少しは利益が出る方法をと思っています。しばらくはこの方法で様子をみます。
2年前まで当店は生命保険の代理店でした。
成績が悪く保険会社より解除されてしまいました。
本来保険という商品にはノルマが有ってはいけないと思うのですが、
世の中そんなに甘くはありません。
成績の悪い代理店は保険会社の負担になるためにどんどん切られていきます。
先日とても嫌な思いをしました。
生命保険の代理店は通算で6〜7年していたのですが、
入っていただいた方は当店の常連さんのみ。
当然、私への情で入っていただいたものが多いと思っています。
保険の内容は、どの会社もまあ似たり寄ったりで、どこかが
特にすごい保険を販売している、ということもありません。
これは金融庁の管轄下にあり、勝手に値引きやキャンペーンをすることが
保険業法で禁止されているからです。
ですので冷静に考えれば、保険加入希望者数が一定数いて、
販売する保険商品がそれ以上あるとすると、お金を持っている人が
無駄に入っている可能性が高いわけです。
結局、お客さんの奪い合いをするために保険代理店もしくは保険レディ(差別じゃないのか?)
と言われる販売専門の方が、あちらの保険を解約してこちらにどうぞ!
という販売手法が堂々と行われているわけです。
需要としては保険を利用した節税。これは自営業者さんや小さな企業の経営者には
とても便利な商品です。ですが、これも保険会社が強引な販売を
行ってきたため、最近では、本来の目的(保険のこと)を逸脱した
保険販売を金融庁が監視するようになり、節税効果も薄れてしまいました。
そんな中、当方、バイクの整備だけでは食っていけないので、生保の資格を取り、
ついでにファイナンシャルプランナーなる資格も取り、
お客さんの人生設計のお手伝いなんてこともできるようになっていたのですが、
実際にそういう仕事ができるかというと、もう常連さんだけに
こまかい病歴やらを聞くのもおこがましい。
なのでお客さん側から入りたいんだけど、と相談を受けた時だけ販売していました。
これは今やっている損害保険の代理店でも同じような姿勢です。
こちらから強引に売ったりしていないのが当店の特徴です。
これも成績悪いといずれ廃業になるんだろうなあ。。。と思ったりもしています。
で、嫌なことがあった、というのは、
実は生命保険に加入していただいたお客さん。脳卒中で倒れたんです。
細かい病状はちょっと違うんですけど、大まかにいえばそれです。
いまの日本の生命保険会社は、がん、脳卒中、心筋梗塞のどれかで倒れたら
保険から一時金、手術代、治療費が出るだけでなく、今後死ぬまでの
保険料が無料になるという特約がどの会社の商品にも自動で付いています。
業界用語でP免といいます。
いずれ高齢化社会になりますから、今後販売される商品にはこの特約も
条件付になるのは目に見えていますが、今販売されているものはほぼ付いています。
で、うちのお客さんもこれに当てはまるわけで、当然治療費、一時金など全部出て、
今後も支払わずして保険が有効になるはずでした。
ところがつい最近、解約されていたそうです。解約されたあとに脳卒中になってしまいました。
理由は、保険に入るときに私への情で入っていただいていたのですが、
私が代理店をやめたあとに引き継いだ保険会社直属の担当部署が、
加入時に生命保険の内容や条件など詳しく説明されて生命保険に加入しましたか?
というアンケートというか調査を加入されたご家庭に訪問されてチェックをしていたようです。
何か私が無理やり売りつけたような感があってとても気分が悪いのですが、
コンプライアンス(法令順守)に厳しい今の生命保険業界においては
この作業も大切な仕事になっています。
で、この訪問を受けた際に、このお客さんは、
矢田さんの利益になっていないんならやめます、
と保険契約を解除してしまったんです。で、そのあとすぐに倒れられた。
もしあの訪問がなければ、まだ加入されていたんじゃないかと思うと、
本当に残念なんです。
私が代理店をクビになったのは私のせいです。私がもっと成績よく
保険を売りまくっていたらやめさせられることもなく、保険も継続されていたと
思ったわけです。
不幸中の幸いで、この方は倒れてすぐに治療ができたので後遺症もほぼなくなり
生活にも支障はほとんどなくなるとお聞きしました。
本当に申し訳なく思い、しばらく嫌な気持ちが残って仕事をしていました。
最近無事退院でき、これからリハビリです。私と同世代なので、明日は我が身かも
と私も最近は5時間は寝るようにしています。つい最近までこの15年ほど
毎日3〜4時間しか寝ていなかったので、今更ですが睡眠時間を増やしています。
知らない方が多いので書いておきたいと思います。
生命保険は「契約したとき」の契約事項が一生に続きます。
貯蓄型の保険であれば、いわゆる1990年頃までのバブル期に
販売された保険は、
絶対に解約してはいけません。
もちろん、保険のおばちゃんは、昔の保険は今の新しい手術に対応できていないから
切り替えるべきですよ!と新しい商品をお勧めしてきますが、
絶対に切り替えてはいけません。
もし新しいものも欲しければ、一番最低の金額で追加する方向で。
金利が5%以上だった時代の商品と、0.01%なんていう今の時代の商品。
どちらがお得かなんて小学生でもわかります。数百倍違うんです。
また治療にしても最先端の治療が受けられる権利があっても治療を決めるのは
ほとんどお医者さんです。保険に入っているから最高の治療を、とやってくれるか
どうかはわかりません。
あと今後発売される保険は、特に特約事項の説明をよく受けてください。
ここまでに書いた、将来にわたって保険料免除となる項目に条件が
つくようになっています。
たとえば脳卒中。今まではそうなって手術すれば免除確定です。
ところが新しい商品は、同じ内容の商品なのに、免除の条項に、
手術後○○日以上たって医者により何かの障害が残っていることが証明されたとき、
なんてのが書いてある保険も出てきています。
今回のうちのお客さんの場合、症状が軽くて今後よくなることを当然期待していますが、
よくなってしまうと保険料免除にならない、ということです。
契約していただいた時の条件は、手術した時点で保険料免除。今後また生命保険を
何度使っても保険は継続されますが、今後販売される保険では何回まで、とか
期日を決められるかもしれません。
生命保険。入らなくてもいいといわれている日本でもありますが、もし入るなら
この点、本当によく聞いてご加入ください。
今はもう代理店やめたので言えますが、医療保険は掛け捨てでいいと思いますよ。
積立型にしたところで金利も安いですし、日本の一般の方は治療は3割負担で済み
高額治療になったら一定の金額までで上限があるので非常に安心な国です。
先端治療を選べるというのも実際はどうかな、と思っています。
今日は自由に生命保険について書いてみました。
古い保険は大事に。新しい保険はよく見てよく聞いて入ってくださいね。
生命保険についてはもうしがらみがないので、他社との比較も
保険業法に抵触しないので私はしゃべっていいことになっています。
ファイナンシャルプランナーの資格もありますので、
もしご相談があれば。。。
お金とってもいいらしいですが、なんとなく取りにくいので今は無料です。
(バイクのお仕事くれている人に限る)
2022/4/08 金曜(近未来のエネルギーの話)
|
古くから当店を知っている方はご存知かと思いますが、
私、店主の矢田は、このバイク屋を始めて10年後くらいに
突如大学生になりました。
いろいろ知りたいことがあったので仕事の合間に色んな勉強をしたり、
講習に行ったりをしていたのですが、やはりちゃんと基礎からやらんと
効率が悪いな、と思って勉強をし直すことを決意しました。
で、当時この付近で夜間部のある大学を探して、昼はバイク屋、夜は大学生
をしばらくやっていたのですが、夜間部の大学ってすごいんです。
午後6時くらいから9時まで、毎日2講義しか取れないので、
フルに通っても5年かけないと卒業できません。
ま、その長さもあるんですが、それよりも講義の充実さ。
まあ大半は18〜9歳の若い学生さんで受験で昼の部に落ちた方が来ていたんですが、
私と同じく社会人の方もおられて、一応社会ではプロですからプロの方が勉強しにきているというのは
やはりちょっと普通の大学の講義とは雰囲気が違うんです。
まず学生数。1〜2年生の一般教養はまあ20〜30人はいるんですが、
専門科目になるとせいぜい10名。少ないときは2〜3名。
1対1という講義もありました。
その受講生の少ない講義もいくつも私は受けていたのですが、その中でも記憶に残っている講義が
腐食工学と原子力工学です。
夜間の教鞭をとる先生は、大学外からの講師の方が多く、多くはその道のプロです。
腐食工学のときは、某重工メーカーのそれこそ阪神大震災時や羽田空港拡張時の橋梁等の
設計から補修までやった方で、ここでは書けない裏話(かん口令が引かれた)とかを
話してくれました。
ここでバラすと数名しか聞いていないわけですから漏らした犯人はバレます(私です)。
原子力工学は、東芝から来られた講師でした。私が受講したのは東日本震災前です。
そして震災後も大学院に入ったあとに別に原子力工学を受講しました。
この時も講師は東芝の方で、震災前と震災後でどう立場が変わったかを知りました。
結論からいうと、世間の関心は増えたけれど、原子力に携わる技術者は一貫して真面目に
取り組んで技術技能を日々研究しているということです。
震災前、原子力は100%安全です、と言って推進したのは、経営側の方であって理系の技術者は
そんな100%安全なんて神話だよ、と、ちゃんと危険がどういうものであって
そのために安全設計をしているんだと、たくさんの事例を挙げて、原理原則に徹して
講義をしてくださいました。
震災後は、やや照れくさい感じで、あれだけ安全に設計してきた技術が実際に壊れたのは事実。
これを機に更なる安全と安心のための技術開発に取り組んでいます、と、震災時になぜ
ああいうことになったのかを、人間のミスだけではなく技術的、科学的な視点から説明を
していただきました。
世間で語られている素人評論家の説明なんてのは、ベースに物理学も学んだことのない
精神論であることは、書いておきたいと思います。テレビのほぼ100%がそうです。
テレビ解説に専門の大学の教授あたりが招かれていますが、
ほとんど大事なところはカットされ、世間が目を引きそうなことだけを強調されているので
テレビに出た先生は大学内でもその後ちょっと冷ややかな目線を受けるそうです。
ちゃんと説明して理解してもらうには、理解できる程度の知識がある人でないと
難しい分野でもあります。目に見えない放射線などは特にです。
日本は大学を出られた方がたくさん住んでいるのに、物理の基本的な法則ですら
理解せずに単位をもらっている方が多いからこういうことになります。
昨今のコロナ報道にしても、大学出ていてその考え方は。。。的な人が散見されます。
日本の大学は単なる学歴のための通過点で実際に各学問を理解している人がとても
少ないわけです。でもまだ世界的には単位の平等性は保たれているわけで学位は
認められています。でも実際に使えるかというと使えない人がほとんどで
会社に入ってから初めてちゃんと理解する事が多いです。
ですので一度社会人になってから大学に戻って勉強する人はとても
よく勉強しますし(自分もそうでした)、実際の社会に役立つことが
わかっているので応用も効きます。
さてそんな講義を受けていた私ですが、震災前に受けた原子力工学では
とてもすごくいい技術なのに日本は規制以外に大きな壁があることを実感しました。
それは原爆を落とされた唯一の国ということもあります。核に対する気持ちの壁です。
みんなが大好きな温泉では、少し被爆していることが健康に良いわけですが、
温泉は放射線がどうのという書き方はしません。
タイヤのゴムを強くするために放射線をガンガン当てて作っていたり、
レンジてチンしてるのは放射線によるものと知っている人は少ないです。
学部の時の講義(震災前)で半年ほど受講し、レポートの自由提出があったので、私は
原子力発電所の超小型化とそれを各都道府県で用いたエネルギーの独立採算について
書きました。
それは東京電力が、主に東京都心部の方のための電力に東北に原発を作っていること。
現地の雇用に役立っているとはいえ、実際には被ばくを恐れての感情から
都心には作らない現実を踏まえてのレポートでした。東京の電力は東京で作る、と。
講師の方からは小型化は効率の面でかなり損をしてしまうので実際には難しいという
ことと、それでも原子力空母などの小型炉はあの艦の中に2〜4個(機密だそうです)が
設置されて20年間は燃料交換が不要な点では、考え方によっては良い方法かも、
というレポートの返答をいただきました。
原子力空母や潜水艦の燃料は港で交換しているわけではなく、濃度の非常に高いウランを
最初から積んでいるそうです。濃度が高ければ当然リスクも高いですが、今のところ
大事故を起こしたという話は漏れてきません(漏れたら放射線で感知されて見つかるはずです)。
いまの発電所のウラン(イエローケーキ)は、主にロシアやオーストラリアという国から
毎年何十トンという単位で買っている(いた?)わけですが、濃度はかなり低く
これは核兵器に転用させないための規制なんじゃないかと思われます。
日本は核リサイクル事業を提案して実際にもんじゅで研究されてやっていましたが、
たったひとつの設計ミス、配管内の温度を測る熱電対のシース(管状の棒)の折損事故で
廃止に追いやられました。あれも技術的な問題よりも、精神論、経営論的な要素での
失敗だったんだと思います。技術者は誰も100%安全なんて思っていませんし、
もし事故が起きても対処できる方法を勉強しています。ですが、経営陣やとりまく行政、
政治家によって庶民の意見をコントロールできず、つぶされたものの一つです。
もんじゅがやろうとしていた技術は、コストを考えれば効率的には?な面もありますが、
資源を持たない日本が向かう方向としては間違っていなかったと思います。
いずれどこかの国で必要な技術になる可能性があればその技術を売るということで
日本が成り立つこともあったわけです。
ここ数年の世界で起きている大きな自然災害や脱炭素の流れから、いよいよ原子力が
見直されてきている現実。やはり利権をめぐる争いが多いようですが、
私は、個人的にむかし竹村健一さんが言っていた、「せやね、東京湾につくったらええんちゃうかな」
を支持したいですね。
もし燃料棒の濃度を上げられるなら、交換サイクルを低くして20年ごとに行うことでコストも下げられるし
世代が変わるサイクルですから、その時点での世代でまた考えを作ってみてはと思うわけです。
当然濃度の高い核燃料を作ると、となりの大国が核兵器への恐れとしてなにやらちょっかい出して
来るとは思いますが。。。
私のスタンスは、現在の原子力の運営チームは一掃して、ちゃんとした技術者と倫理観のある人による
第三者監視をつけて(世界からの監視もいいと思います)偏りのないエネルギー施策を政府がやってくれるなら、原子力推進です。
ですが、今のように利権と政治家の影響力が大きい状態では反対です。まあ地方出身の政治家というよりも
都内に原子炉置くとなると別の影響力の方が優先されるとは思いますけれど。
それは庶民の声という一番大切な力です。庶民に好かれる政治家がいないと進まないということかも。
超小型原子炉。固定型でなく海に囲まれた日本なので海岸に港を作り、船の上で管理できれば
安全も担保できる気がします。十何年か前にNZで電力が足りなくなったときはたしか港に停泊した
原子力船から電力を陸地に供給したということもありました。あれの半固定型というんですかね。
日本は船舶製造技術も優れているし、輸出しなければ大量の中古車から鉄も取れるし、
エネルギー施策については、資源のない国の知恵でやるべきだと思うんです。
今日は固いお話でした!
ロシアのウクライナ侵攻が収まりません。
戦争というとお互い戦いあっている感じがしますが、
ウクライナはロシア国内に対してなにかをしているわけではなく、
専守防衛という感じがします。
日本も北海道を攻められる可能性は無いわけではありません。
数日前、雨が何日か続きましたが、その中でも富士の演習の音が朝8時には
聞こえていました。地上戦を想定した演習なんだと思います。
この情報社会で武器もものすごく進歩している中、歩兵戦が行われていることが
信じがたいところもありますが、泥だらけになりながら現場にいるのは若い兵隊です。
彼らは上からの命令で動いているだけで、相手を殺したいという意思があるとは
思えません。戦争とは自身の意思をも持てず、ただ命令に従い、
人としての感情を押し殺し、そして自らが壊れていくものだと思います。
戦後、残ったものは、廃墟となった場所と、意味なく命を落とした人々と
生き残った方々の悲しみ、そして恨みです。
早く戦争が終結することを望みます。こういう時は頭を取るのが一番です。
アメリカは世界の警察ではありませんが、何か動けるものがあると思いますし、
その力がある国だと思います。経済制裁と後方支援しかしないのは
今年行われる選挙のせいなんじゃないかと勘繰ります。
さて、お題の近未来の話。
バイクについては、自動車と同じく電気バイクになるのはほぼ間違いありません。
脱炭素という流れから、石油を燃料とした開発をすること自体が、
メーカーが株主からの支援を集めにくい状況です。政府がバックアップでもすれば
開発もできるでしょうけれど、情報社会においては、世間の声が
あっという間に広がりますので、政府も「今後も石油社会です」とは言えない時代。
EVを進めていくのは正しい方向でもあると思います。CO2排出や石油の枯渇という
たてまえを無視しても効率の良さやエネルギーの使いやすさを考えるとEV一択です。
あえてガソリン車の利点を挙げると、人間との相性でしょうか。
音や振動、加速感といった人間の五感に訴える何かがこの100年で
注ぎ込まれてきたように思います。
ただ、最近のガソリン自動車の開発は少し方向がずれてきていて、
運転のフィーリングよりも自動運転、事故防止のための自動ブレーキやハンドル操作、
車内の快適性は運転よりも居住空間、を求めてきています。
当然ガソリン車である必要の無いものばかりです。電気でいい。
いっそのこと道路に全部レールを引いてレール上を走らせるほうが、
安全で快適になるんじゃないかと思ったりもします。
実際に、電車ではなく、ある程度自由度のある路線車という概念は20年くらい前に
オーストラリアはシドニーで考えられて、いまシティから郊外への小型車両が開発されています。
自動車の行く方向は、今のところまず電動化。そして自動運転化。
いずれは個人の乗り物ではなく無人で走るタクシーにシェアライドという
そんな方向になるはずです。
ある地点からある地点へ。移動手段としての乗り物はそうなります。
ではバイクはどうでしょう?乗ったことのない人にはわからない乗り物です。
停止状態では足をつかないと転倒してしまうという基本的な欠点があります。
曲がるときはバイクを適切に傾けて、適切にハンドル操作をしないと転倒します。
雨の日は、雨粒が視界を遮り、ウェアはずぶぬれで店に入るのを躊躇します。
フロントブレーキがロックするまでかけてしまうと人間の操作では制御が追い付かずに転倒です。
転倒したらケガをするので防護する服や手袋がそしてヘルメット必要になります。
バイクから降りたらヘルメットやグローブを脱いで行動しなくてはなりません。
ウェアも普段着よりは動きにくいはず。髪の毛もぺっちゃんこでちょい恥ずかしい。
そんな欠点だらけのバイクがなぜ存在するのか。
乗ってみればわかります。スクーターじゃないですよ、ちゃんとクラッチで
操作するギア付きのバイクです。できれば股の間に挟めるタンクがあるほうが良い。
ABS?自動遠心クラッチ?トラクションコントロール?
そんな無駄な(失礼)ものは要りません。普通のバイクでいいんです。
乗ってそのフィーリングの楽しさがわかる人は多いと思います。
先入観無しで乗ってみてください。子供のころのような気持ちで走り出してみてください。
最初はエンストするかも。立ちごけするかも。低速のコーナーでこけてしまうかも。
でもそういった失敗から次にうまく乗れたときの感動。これがいいんです。
まあこのウェブサイトを見ている人はバイクに乗っている人でしょうから、
こんなことを書いても何言ってんだ?的な感じだと思いますが、
初めてバイクにまたがって乗ったときの感触って覚えていませんか?
スロットルを少しあけ、クラッチを少しずつ離し、グググっと前に進みだすバイク。
多少は顔が引きつっていたかもしれませんが、おおお、動いた〜!やった〜!
みたいに笑顔の方が大半だったんじゃないでしょうか。
4輪の自動車でそんな経験って少ないと思います。
バイクは五感を生かす乗り物なんです。
自動運転の波はバイクに来るのは少し先になります。ですが、操作を容易にし
安全に走れるようにする技術は搭載されていきます。
まずはABSですね。すでに数年前から標準装備しないといけない時代になりました。
もう誰もがブレーキロックを怖がらずに乗れるバイクになってしまいました。
トラクションコントロール。コーナーでバイクが傾いているにもかかわらず、
アクセルをぱかーんと開けてもリアタイヤがスリップしたりフロントタイヤが
浮いたりしません。誰でも100馬力のバイクに乗れるようになりました。
これらの技術。人の安全を願ってのものなのですが、どうなんでしょう?
今まで乗ってこられた方がこれらのバイクに乗り換えるのは全く問題ありません。
でも最初からこういうのに乗ると楽しみ半減。転倒の経験すらできません。
危険を知るからこそ安全に乗れるわけです。
初めからこういった高性能車の乗られているかた。ぜひとも一度、古い
とても乗りにくいバイクで一回こけてみるのもいいんじゃないかなあ、と。
今の時代、ちょっと古いバイクを乗っている人は乗るよりも磨く方に
力が入っていることが多くて、
ちょっと貸してよ〜、あ、こけちゃったゴメン!
で終わらないことも多いですが、本当の友人ならこけても許してくれるでしょう(笑)
ま、こけなくてもいいか。古いバイクの鼓動を感じて、とても効かないブレーキで
スピードの恐怖をしり、そして新しい技術に感謝してもらえればと思います。
この100年で培われてきた安全や効率化の過程。
そこにはいろいろな技術があります。物理現象、化学現象、数学的な思考、
そういったものが一緒に育ってきたものです。電磁気は見えないものという扱いですから
これらの技術、技能がEVに生かされるのは間違いない。
もしかすると近未来のバイクはスピーカーを積んで、
今日はこのメモリで走るぜ!と、昭和の暴走族の音を再生しながら
走る時代になるのかも知れません(たぶん無いけど)。
ガソリンがもうすぐ高騰します。世界はどの国も2倍3倍になっていますが、日本だけ
1.5倍程度で収まっています。政府のおかげです。ま、原資は私たちの税金ですけれど。。。
今のうちに、古いバイク、乗っておきませんか?最新型よりも100倍楽しいことを保証します。
あ、ケガするのは間違いないので、そうだなあ40代以上の方は慎重に。治りが悪いからね。
でもまだまだこれからですよ!
桜も散りそうな雨が続きます。
いつの間にか4月に入り、今期の予定もだんだん詰まってきました。
今春も毎週火曜は、非常勤講師で学生さんに製図を教える仕事をします。
私は機械工学の専門なのですが(いちおう修士です)なぜか教えている学生さんは
電子工学科の方。
電気製図というのもあるわけですが、同じ製図でもずいぶん違います。
こちらも電気の記号なんてほとんど知りませんから勉強しながら教えているわけで
どちらが先生なのかよくわからない。
でもまあ基本的なことは同じなので、製図の基本や考え方を伝えています。
JISに則って教えるのですが、このJIS。
日本工業規格だと思っていたあなた!
実は数年前に改訂があり、JISは日本語が日本産業規格になりました。
もともとJISの前にはJESというのがありまして、日本技術規格とでも
訳せばいいんでしょうか。この規格が定められたことによって
日本の工業は発展してきたわけです。
特に自動車の前は自転車ですね。自転車の各部のパーツの規格を
イタリアやフランス、ドイツに負けじと日本で規格をきっちり定めたことが
日本の自転車産業普及にとても役立ったわけです。
ですのでいまだに自転車というのは、たいていの部品が共通の寸法を持つことが多く、
世界中のいろんな会社が作った部品同士の互換性がわりと高く保たれています。
コストダウンのためには大量生産。そのための互換性。規格というわけです。
ま、こんなことから話し初めまして、夏の暑くなるころまでの講義を請け持っています。
この二年ほどは残念ながらマスク姿でかつ、席が互い違いに座らされて広い教室で
教えているため、学生さんの顔と名前が一致しないまま講義を終えてしまいます。
とても残念なコロナ禍です。学生時代の友人こそ一生の友になるわけですから。
さて本業の店の話です。
4月になり仕事も少しずつ福祉機器の製作等へとシフトすべく色々とやっています。
店の工事も毎晩、ゴソゴソと進めて、あと少しで形にはなるかなあ、と。
車いすの方も事務所に出入りできるようにと自分でいろいろリフォームしています。
ただお金が続かなくなってきたので、またもや中断、というところ。
1年ほど前に借りれた300万ももう底が見えて(ついたか?)、今年から毎月4万5千円の
返済も始まりました。固定費が5万円ほど増えたわけです。毎月41万円ほど払っています。
おおむねリフォームのための材料費と新しいPCと3次元CADの購入費、
そんな作業をしている間の店と倉庫の家賃に充ててしまったので、
とりあえずその業務をスタートさせてしまえば、なんとかなるかな〜?と
割と楽観的に考えています。
この楽観さは、いざとなればなんでも出来る、という妙な自信があるからです。
私、若い時にちょっと悪さしたもので、その時から自分のことは自分でなんとかする、という
変なポリシーが体に染みついてしまって、色んなバイトや業界に首を突っ込んだので、
なんとかできる術というのを身につけてしまったわけです。
最近のベンチャーが他人の金を集めて、やほーなんてやっているのを見るとちょっとイラっとします(笑)
(若い人は基本的には応援していますよ!)
明日、天地がひっくり返るようなことが起きても、私はまあ何とかなるだろうと。
変な自信です。
毎朝、日本経済新聞を読んで社会の情勢や経済の動きを見ています。普通の新聞にしようかと
思っていたんですが、図書館で複数の新聞を3か月ほど全部読んで思ったことは、
最近の新聞は情報を自分の足で取らずに外部の報道をただ書き換えて伝えているだけであったり、
妙に偏った考え方を押し付けていたりと、これは報道に非ず、事実を伝えるのですら曲げている、
と思っていろいろ見た結果が日経だったわけです。
おかげで色んな業界の情報にも詳しくなってきました。学生さんは毎日読めば、
就職や今後の仕事にもきっと役立ちますので是非お勧めします。
その日経の最後のページに、私の履歴書、というコーナーがあります。
大きな会社のお偉いさんになった成功者の皆さんの歴史です。
それを読んでいるとどこかで人に助けられている。
結局は人との出会いが運命を決めているなあ、と思います。
その出会いの多くは大学であることが多いんだなあ、と。
ちょうど新学期になり新大学生も多いと思います。
隣に座っている人が40年後、どこかの大企業の社長になっているかもよ!ですよ。
私は人生の失敗者と自負していますので、最近は後輩を育てられなかった、子供を育てられなかった反省から
ツイッターで整備作業のちょっとしたコツとか整備書に書いていないようなことを
つぶやいています。このウェブサイトのホームページにリンクしているので見れるんじゃないかと思います。
また毎日顔を合わせる小中学生たちが、店に遊びに来た時には、彼らの悩みから新しい遊び、
さらには逆に漢字を教わったりもしています。みんないい笑顔です。かわいそうなのは
大半の子が学習塾に通わされていることです。楽器演奏や武道、スポーツ、習字のような
長く続けて大成するようなものならいいですけどね。学習塾はなあ。。。
ま、そんなこんなで最近はこの小言コーナーも更新も少なくなったので
私も自分の過去を振り返って、私の履歴書、を書いてみようかと。
成功者ではありませんから、大したことは書けないんですが、大物とニアミスしたことは
何度かあるわけです。
例えばバングラディッシュからの留学生だったアニスさんとは日本でパソコンを買うのを手伝って
あげたり、引っ越しを手伝ってあげたりしたわけですが、彼はいまや
西海岸のベンチャーキャピタルで数百億円を動かせる社長です。
あのアップルのスティーブ・ウォズニアックと一緒にいろいろイベントやったりしています。
うちにも1億くらい貸してほしいな〜なんて思いつつも彼は彼で頑張っているから
陰ながら応援しています。
ま、いろいろ引き出しは多いと思うので、面白いかな、と。
ユーチューブとかやれば?とよく言われますが、個人的には
テキストが一番!
ということでこの小言もウェブサイトもメモ帳で書いています。
プログラミングはアセンブラですよ!(Z80世代だから。。。お、Z世代?)